アラサー女と女性用風俗の出会い
気づけば28歳の誕生日を迎え、いつの間にか「アラサー」と呼ばれるようになった。図体ばかりが大きくなり、見た目だけは立派な成人女性に成長したものの、性への好奇心は初めて少コミを読んだ小6の頃とほぼ変わっていない。
かといって私は”酔っぱらうと誰彼構わず寝てしまう”とか”夜な夜なTinderで話が早い男を探している”というわけでもなく、ただTwitterで特殊性癖について語るツイートを見ては初めて知った単語をGoogleで検索して、性に関する知識ばかりを身につけるという慎ましい毎日を送っている。
そんなある日、いつものようにタイムラインをぼんやり流し見ていると「女性用風俗」という見慣れない単語が目に飛び込んできた。
風俗といえば、女性が男性に対して性的サービスを提供するもの。そんな先入観が音を立てて崩れた瞬間だった。
女性用風俗、まだ使ったことなかったの?
すぐさま性生活を謳歌している友人に「女性用風俗って使ったことある?」とメッセージを送ると「まだ使ったことなかったの?」とレスが返ってくる。
私にとってはセンセーショナルな文化だったが、聞けば彼女はとっくの昔(といっても1年前)くらいから女性用風俗を利用していたらしい。
”お金を払って男性に性的サービスを受ける”という未知の行為に強い興味を抱いた私は、そのまま彼女からおすすめの女性風俗店をいくつか紹介してもらい、その中から自分好みの男性を指名してみることにした。
東京秘密基地で”女風俗処女”を捨てる
今回私が利用したのは、YouTubeなどのメディアにも多数登場している業界大手の「東京秘密基地」。都内だけでも17店舗、北は北海道南は沖縄まで全国53店舗※も展開している女性用風俗店だ。
※準備中または募集中の店舗も含む
ちなみに、東京秘密基地では性感マッサージのことを「ファンタジーマッサージ(通称:ファンマ)」と呼んでいて、公式サイトではファンマの一部を公開しているので気になった方はぜひチェックしてみてほしい。
各秘密基地(各店舗)の公式サイトにある「セラピスト一覧」には、所属しているセラピストのプロフィールが掲載されている。
何十人といるセラピストのプロフィールを見ていく中でお顔が猛烈にタイプな男性を発見し、私は彼を指名することに決めた。
セラピストのDMからも予約は可能
東京秘密基地は公式サイトの予約フォームまたは電話かLINEで予約ができる。ほとんどのセラピストはTwitterのアカウントを持っているので、DMで予約を取る人もいるようだが、私はお店に確認したいことがあったため公式サイトの予約フォーム経由で予約を取った。
予約してからすぐにスタッフさんから予約の確認メールが入り、簡単なシステムの説明を受ける。スタッフさんはほどよくフランクで優しいので、初めて女性風俗を利用する方も安心してほしい。
アラサー女を人生で一番の緊張が襲う
そして迎えた予約当日、指名したセラピストと対面する3時間くらい前から私は”人生で一番”といっても過言ではない緊張感に襲われていた。
ホテルで私がセラピストを待つ形になっていたので、1時間前にはホテルに入ってシャワーを浴びて念入りに歯を磨きメイクを直す。
「シャワーや歯磨きはプレイ時間内に行う」と知っていたものの、いてもたってもいられず不快感を与えないようにと自分の身なりを整えまくった。ちなみに当日美容院で髪も染めてきたので、我ながらなかなか気合の入った客だと思う。
私がひとりで鏡を見ながらソワソワしていると、ふいに部屋のドアがノックされた。来てしまったのだ、この”刻”が__。
はやる心臓に静まれ静まれと語りかけながらドアを開けると、人懐っこい笑みを浮かべた青年が腰を折って挨拶してくれた。彼は緊張で縮こまる私を優しくエスコートし、ベッドに座らせる。
そこからカウンセリングがはじまり、お店のシステムや希望するプレイ、性的嗜好からNGプレイなどを確認してからシャワーを浴びた。
一緒にシャワーを浴びることもできたのだけれど、私は出会って10分足らずの青年と一緒にお風呂に入れるほど肝が据わっていない。
お互い順番にシャワーを浴び、再びベッドの上に座る。ちなみにこの時、私はノーパンノーブラでバスローブを着ており、彼はパンツ一枚だった。
ファンタジーマッサージは突然に
手を握ったり触れるだけのキスをしたり、健全なマッサージ店で行うようなマッサージから施術は始まった。いきなり胸や陰部をまさぐられるなんてことはなく、彼はうつぶせで丁寧に身体をほぐしてくれた。
いつものマッサージ店なら心地よさにウトウトと船を漕いでしまうが、今日はいつ”ファンタジーマッサージ”が始まるかわからない。
しかし、その刻は突然訪れた。オイルマッサージをしてもらっている最中、彼の腕が不意に私の股を通って胸に触れ、私は激しく動揺した。漫画の世界なら顔の横に「!?!?」と描かれていたと思う。
本来ならここで女性側もそういうスイッチが入り、だんだんムードが変わってくるはずなのだが、私は「へえ〜こんな風に始まるんだ、なるほどね」と妙に感心してしまいなかなか集中できなかった。
彼はそんな私を仰向けにひっくり返すと、本格的なファンタジーマッサージを繰り出してくる。
詳しいプレイ内容は割愛するが、結論から言うと彼は口や手を使って非常に献身的に愛撫をしてくれた。
しかし私は、「出会って1時間足らずの男の子にめちゃくちゃ●●●をしてもらっている」「これが終わったらレポを書かなくては」というプレッシャーから、なかなか達することができなかった。
ライターの哀しき性
今になって思えば、●●●されるためにお金を払っているので後ろめたさを感じる必要はなかったし、別に記事のネタに困って予約したわけではないのだから、仕事のことは忘れて没頭すればよかったなと残念な気持ちもある。
しかし、面白い体験をしたらひとりでも多くの人に文章で伝えたいと思ってしまうのがライターの性(サガ)だ。私は性感マッサージを受けても、ライターとしての性を忘れることができなかった。
オーガズムこそ感じられなかったものの、顔がものすごく好みの男の子と二人きりで過ごした時間はとても幸せだったし、何より女性が性的なフラストレーションを解消できる徐々に浸透していることを実感して、女性が性的快感を求めるのは「はしたない」「恥ずかしい」ことではないと自信が持てた。
女性用風俗でしか得られない”癒し”を求めて
アプリでいわゆるセフレを探して無駄なかけひきをするよりも話が早いし、セラピストとの相性はあるにせよ相手はプロなので性的な満足感も高いだろう。
こっちが少しでも「嫌だ」「やめて」と言ったら止めてくれるし、性的な接触を行う中で嫌なことをされるリスクは一般人に比べたらかなり低いはずだ。
お金を払っているとはいえ、相手は同じ人間なので無理な要望や嫌がることをしてはいけないけれど、寂しさを一時的にでも癒してくれる存在があると思うとなんだか心強い。
今回は緊張していけなかったものの、次回はもう少しリラックスして挑めるだろうし、なにより指名したセラピストのお顔がとてもタイプだったので、ネイルサロンや美容院に行く感覚でまた女性用風俗を利用したいなと思っている。
私がライターとしての性を忘れて”性の悦び”を感じられる日は果たしていつになるのかわからないが、次こそは女性用風俗を本能のままに楽しめることを祈るばかりだ。
取材・文/荒三郎(あらさぶろう)
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