カレーは暴力的な食べ物だ。
大抵の具材はカレーに合う。「もしかしたらこれはきついか…?」という具材でさえ、カレーはその暴力的なまでの包容力で包み込んでしまう。
毎日楽しいことばかりではないけれど、とりあえず今日のところは一緒にカレーを仕込んでみませんか?
材料(概ね4皿分)
玉ねぎ・・・1つ
鶏肉・・・260g
にんにく・・・1欠片
トマト缶・・・1缶
市販のカレールー(中辛)・・・4/1パック
ヨーグルト・・・150g
生クリーム・・・100ml
バター・・・10g
コショウ・・・適量
クミン・・・適量
シナモン・・・適量
無塩アーモンド・・・2〜3粒
作り方
1 玉ねぎ、にんにくをみじん切りにする
玉ねぎは細かく、にんにくは粗めがおすすめ。
にんにくを切ったあとの包丁の不自由さは、私の日々の不自由さに似ている。
2 フライパンに玉ねぎとにんにくを入れてしんなりするまで炒める
先ににんにくを入れ、油に香りを移すといい気がするけれど、結局面倒で一気に炒めてしまう。
最終的には同じ臓器を通過していくんだから、細かいことはいいじゃないか。
そもそも、これはおうちカレーなんだから。
3 2を一度皿に移して、鶏肉を炒める
正直に言うと、一度皿に移すという作業が億劫だ。できればやりたくない。
生きていると、やりたくないことがどんどん増えていく。
できることはたいして増えないのにに。
4 鍋にトマト缶を入れ、2と3を入れて煮る
トマト缶は1缶常備しておくと便利だ。
トマト缶があるだけで、なんだかおしゃれっぽく見えるそれらしいものが作れる。
ごまかすことばかりがうまくなる、そんなお年頃。
5 表面がぐつぐつと煮立ってきたら一度火を止め、カレールーを加えて溶かす
焦げないように気をつけながら20分程度煮込み、カレールーを加える。
トマトの水分が飛びすぎてカレールーがなかなか溶けないことがあるけれど、最終的には溶けるので大丈夫。
6 バター、ヨーグルト、生クリーム、コショウ、クミン、シナモンを加えて、再び火をつけて煮込む
残った材料を鍋に入れて煮込む。焦げないように注意。
生クリームやバターが入っているのだから、当然カロリーは高い。
バターチキンを食べる者はカロリーなんかに囚われてはいけない。
7 アーモンドをジップ付き袋に入れて、手で砕く
トッピング用に、アーモンドをジップ付き袋に入れて指で押して砕く。
特別な道具なんてなくてもナッツは砕ける。
人間も同じ。特別な道具なんてなくてもたやすく砕けるということを、私たちは知らなくてはいけない。
8 アーモンドをカレーの上にのせて完成
大人を甘やかしてくれるのはバターチキンカレーくらいだ
ヨーグルトに生クリームにバター。全員まろやかで優しい。
ささくれだった日常に心がざらついてきたら、何もかも捨ててバターチキンカレーの優しさに甘えてみてはどうだろう。
私たちを甘やかしてくれるのは、オレンジ色の柔らかさだけだから。
レシピ・写真・文/大河ミズキ
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